2009-01-01から1年間の記事一覧

自分で選ぶということ

「あなたはどうしたいのですか?」 よくその言葉を使う。 もめごとを解決するためにはなによりその人の意思がどこを向いているのか知らないといけないから最初の段階でそこをはっきりさせる。 最初から『こうして欲しい』と意思表示をしてやってくる人もいる…

終わらない妊娠と終わらないもめごとはない

もめごとはいつか終わる。 それがどういった終わり方であれ、終わる。 よく私は同僚に言うのだが、「終わらない妊娠と終わらないもめごとはない」のである。 ただし終わり方はいろいろである。 両者が気持ちよく、互いに譲歩しあって、あたかも爽やかな高原…

音楽を奏でるように

よく後輩に「もめごとに関わる時、いつも何を考えてます?」と聞かれることがある。 なぜこんな質問を受けるのか?実は私があまりに楽しそうな顔をしているからのようである。 人のもめごとで「楽しそうな」とは本当に当事者に対しては失礼な話だが、大学院…

人に関わる怖さについて

先日、ある女性が私に、息子に尽くしてきた物語を聞かせてくれた。 これまでの数十年間、お金も愛情もすべて、長男である息子に出し続けて来たのだ、と涙ながらに語った。 彼女は生きることのむなしさと、かけた愛情が期待した通りの形では還ってこないこと…

嘘と苦しみを消化する装置について

最近、キネシクスという技術を駆使して殺人犯などを追い詰める捜査官を主人公にした小説を読んだ。 キネシクスとは「容疑者や証人のボディランゲージや言葉遣いを観察し、分析する科学」だと言う。 このキネシクスを使えば、容疑者の嘘や本心が読めるという…

記憶を語るということ

高校の同級生たちと久しぶりに集まった。 私は吹奏楽部に所属していたのだが、同じ学年の元同級生たち18人のうち、その夜は14人が集合した。 アルコールが入ると、出るのは強烈なエピソードの数々である。 先輩の悪口をその当の先輩がいると知らずに大声…

あなたの話を聞かせて下さい

仕事で当事者の話を聞いていると、物語を読んでいるような気持ちになる。昔から読書に関しては雑食系、いつも腹を空かせて、がつがつと読んできたし、どんなジャンルの本も読めると思っていた。今は本を読むように、毎日人間の物語を読んでいる。 人はみな自…

言葉の毒について

相談・交渉の話法の中で、当事者の言葉を意味を変えずに違う言葉に言い換えることをパラフレイジング、当事者の言葉を違う表現で異なる意味づけを行うことをリフレイミングという。 交渉術やカウンセリングの本では、実践的なテクニックとしてこれらの話法が…

理解しあうこと

もめごとの相談を受けていて、最後に「どのようなことを相手に希望していますか?」と尋ねると「謝って欲しい」「反省して欲しい」という言葉が返ってくることが多い。 金銭的な要求が出来る場合でも「お金はいいから、謝罪して欲しい」と言われる当事者もい…

もめごとに勝つこと、負けること

先日関わったもめごとで、事実関係の調査の結果、最終的に一方の当事者の言い分が正しいと全面的に認められたケースがあった。 当然ながら、言い分が認められたAさんは100%の金銭的な要求をしてもおかしくない場面だったが、不思議なことにAさんは約1…

「もめごと」をかいけつするということ

世の中には沢山の「もめごと」があふれている。 親子喧嘩に兄弟喧嘩、政党内の勢力争いや男女間の争い、国家間の争い、戦争なんて究極のもめごとだと思う。私は子供の頃からもめごとに魅かれていた。もめごとに対する興味が尽きなかった。 新聞記事で一番好…