2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「九尾の猫」 エラリー・クイーン 著

大都市ニューヨークを恐怖に陥れた「猫」による連続殺人事件。中期の名作であり、探偵エラリーの苦悩と再生を描くターニングポイントとなる作品。 最初にエラリー・クイーンの探偵小説を読んだのは小学生の頃だっただろうか。 図書館にあった子ども向けの国…

「独りでいるより優しくて」 イーユン・リー 著

毒物混入事件をきっかけに深い孤独の中に引きこもってしまった3人の男女。被害者の死をきっかけに、彼らは独りでいることをやめて誰かと生きることを模索し始める。 これは1989年、まだ天安門事件の影響が残る北京に住んでいた4人の男女の物語。 裕福な家…

「セルデンの中国地図」 ティモシー・ブルック 著

一枚の地図に、17世紀に起こった世界のパラダイムの変革、学者や文人たちのあくなき研究心、そして航海者たちの富を求める欲望、羅針盤や星を頼りに大海原に乗り出した無名の船乗りたちの冒険心という宝石のような物語を見た。 一枚の地図がある。 たて16…

「流」 東山 彰良 著

あぁお腹がいっぱい! 一読して、とにかく頭がクラクラしてる。 今年の直木賞受賞作品。 話題作は、いつもだったら落ち着いた頃にゆっくり読むことにしているのだけれど、たまたま受賞のニュースの前に著者の「さよなら的レボリューション 再見阿良」を読ん…